2014年7月10日木曜日

Meet the Iconics:エノラ

2014/07/03 木曜日


 Illustration by Wayne Reynolds
今日は引き続き、Advanced Class Guideから新しい象徴キャラクター(訳注:iconic character、クラスを象徴する公式キャラクター)、アーケイニスト / arcanistのエノラ / Enoraを紹介しよう。エノラはまだ告知されていない2015年2月にリリース予定のPathfinder Adventure Card Gameセットでプレイアブル・キャラクターとなる予定だ。

 多くのハーフリング同様、エノラも好奇心と幸運という縁のない組み合わせにいつも操られてきた。彼女の両親はいずれもマナケット / Manaketの最高秘術機関であるオクラリウム / Occulariumの教授で、唯一の娘が楽観主義と意志の強さだけで太刀打ちできる知識の渇望がいや増すように仕向けた。両親自身が魔法の達人であるからかもしれないが、エノラは魔法がその内側でどのように働くかを生まれながらに理解していたので、入念な調査技術と直感を組み合わせることですぐに自分のクラスの頂点に立った。

 成年に達すると、エノラはほぼ100人もの応募者の頂点に立った。その地位はオクラリウムで最も価値ある魔法の財宝(古代のジストゥカ国 / Jistka Imperiumのもの)を調査するという、誰もが望む政治的地位である。エノラはこの任務に自分の好奇心ややる気、魔法の見識がぴったり合うものだと気付く。しかしジストゥカの神具でも最も難解で不可解なものとはいえ、何年もの研究を通せばエノラには不十分だった。オクラリウムの図書館にいる数えられない時間が、彼女の制御できない旅行熱を呼び起こした。

 暴かれてない伝承に自分の能力を費やす自分の仕事に、彼女は限界を感じていた。そしてジストゥカにあるもの以上のアーティファクトを学びたいと望むようになっていった。次第に募る不満と闘うため、エノラは休暇を取り、他の古代魔法帝国の調査を計画した。彼女の望みは叶い、オクラリウムの仕事を続けるために戻る前に、自分ができることを学ぶために1年を費やした。

 エノラの目的地はリージェン / Lirgenの遺跡――ほんの100年前にアベンデゴの目 / Eye of Abendegoに完全に取り込まれた2つの国の一方だ。ここで彼女は、この地にあった卓越した占星術の最近失われた情報を探したいと考えたのだ。ラハドウム / Rahadoumの海岸沿いに南に向かう旅程は特に何事も無かったが、水没した地 / Sodden Landsの荒く厳しい沼と、彼女をあまり歓迎しない沼の住人は、エノラにただ生き残るためだけに魔法の技術を使わせるに十分なものだった。このたびの間に感じた冒険の興奮はこのハーフリングをわしづかみにした。彼女はオクラリウムの秘術図書館が、彼女が復帰したことでどれだけ変わるのだろうかと、この長期休暇の最初の一週間で考えたのだった。

 しかし彼女は魔法の神ネシス / Nethys――信仰することは彼女の故郷では禁じられていた――を奉じる半ば水に沈んだ寺院を発見した。それはエノラの人生をまさに新しい道に誘ったと言える。暗く崩れかかった聖域の中で、エノラは彼女が今まで見た何とも似ていない魔法のオーラを放つ額石をはずした。それこそ、オクラリウムで彼女の管理下にあった最も強力なジストゥカのアーティファクトが放つものよりも強力なものだった。手を秘文に添え生来の秘術能力を込めながら、エノラはアーティファクトを通して伝わってくる魔法エネルギーの綴れ織りに触れた。それは理解が進むにつれて、ゆっくりとほどけていった。

 すぐに、彼女の心は魔法の啓示、彼女のと法もない夢を超える知識、魔法の発見によるずっと広い世界観に満たされた。彼女が今まで想像していた以上に探索の進んだものだ。彼女は手を引きはがした。精神を圧倒される恐怖についての衝撃の多さと同時に、エノラはラハドウムにある厳重に護られた図書館と研究所の潜在力について新しく理解した。ネシスと他の魔法の神を拒絶する自分に気付いた時に彼女を圧倒した怒りと悲しみが組み合わさり、彼女はいつも熱望していた知識を獲得しようという想いを隠してしまった。単に彼女の国が避けてきた神格に奉納される図書館にあったからと言って、マナケットと詳細な情報が彼女の手を離れて残っていることを知っている政府の地位に、彼女はどうやって戻ることができるというのだろうか?

 エノラは自分の選択肢を評価する時間として大ムワンギ / Mwangi Expanseを西に旅し、この地域にたくさんあるアルカディア海 / Arcadian Oceanへ注ぐ川の1つの下流域に通路を見つけた。調査のための一年はすぐに終わりへと向かい、彼女は次に行く場所を決めねばならなくなった。ついに、彼女はオクラリウムで彼女の仕事を見てくれていた執政官に手紙を書き、調査機関を延長してくれるように頼んだ。その時彼女はソシス / Sothisへ向かう船に乗っていた。そこにはネシスの最大の寺院の一つがあることを彼女は知っていた。

 エノラは自分が知っている生活の安寧ではなく、知識の探求を選んだ。今や彼女は2つの世界の境界で生活している。彼女はオクラリウムにおけるいい立場を維持するため、継続的に注意深く手紙をしたためている。そうしておけば彼女は無数にある魔法的支援や大学からの支援を受け続けることができる。しかし彼女は新たに芽生えた神の力への尊敬が自分の頭に罰を与えるのではないかと、故郷に帰る事を恐れている。今、内なる魔法の働きをより良く理解する方法と現在最高の大魔術師でさえ凌駕する魔法を持つ滅んだ帝国の秘密を求めて、エノラは内海地域 / Inner Seaを旅している。利用できるものは何でも、元来彼らが信心深いかそうでないかにかかわらず利用ながら。

 エノラは知識の探求に極度に傾倒しているが、共通の目的を達成するために他人とともに行動しないというわけではない。彼女はほとんどのことに自発的に行動し楽観的だ。しかし彼女はいずれマナケットに戻り、ネシスの信者として追放される事になる衝突について深い心配を抱えている。彼女はどこから来たかを多く語らない。しかしある日彼女の旅がラハドウムに立ち返ることを彼女は知っている。彼女は自分の秘密を抱えたままでいるのは難しいだろう。

Mark Moreland
Developer
Meet the Iconics: Enora
元記事:
http://paizo.com/paizo/blog/v5748dyo5lg97?Meet-the-Iconics-Enora
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 ハーフリングの秘術士で、大組織の研究者か~
 好奇心を研究に活かすというのはいい設定だなぁ

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